文章や記事、ビジネス文書を書く上でもっともやってはいけないミスはなんだと思いますか?
答えは簡単。
誤字脱字や事実関係の間違いです。
文章の中にミスがあるだけで、その内容や筆者への信頼が一気になくなります。
記者やWebライター、広報担当者のように、外部の人に読まれるのが前提の文章を書いている人は、とくに気をつけなければいけません。
文章や記事の中での間違いを防ぐ上で重要なのが、校正・校閲作業です。
簡単に言えば、文章の体裁や誤字脱字、誤りを正す作業のことです。

地味な作業だから、嫌いな人も多いよね
ですが、文章を書いて生きていくには、避けて通れないのが校正・校閲です。
今回の記事では、私が新聞記者の実務の中で身につけてきた校正・校閲を簡単・確実にできるようになるコツを紹介します。
校正・校閲のコツを押さえれば、間違いをゼロに近づけていくことは可能です。

目指せ!ミス0の文章!
校正・校閲のコツを押さえて、誤字脱字とサラバ!
校正・校閲のコツを押さえれば、もう上司に誤字を指摘されたり、取引先の前で言い訳をしたりする必要はなくなります。
しかし、Webライティングの世界ではとんでもないことを言う人もいます。

誤字脱字とか変な言葉遣いとか、読者は気にしないよ。
最悪、後から直せば良い
言語道断です。
文中にある間違いは、1つでもあれば文章の信頼性へ疑問が生じ、2つ以上あれば読み手の信頼を失います。
あなたが読者として文章を読むとしましょう。
頻繁に漢字間違いがあったり、変な言い回しがあったりする文章を最後まで読みますか?

私なら読まないよ
ミスの多い文章は、ただそれだけで読者が離れていきます。
もしアナタがWebライターなら、読者だけではなく、クライアントからも見放されるでしょう。
文章のミスは、決して許されるものではありません。
いくら後から間違いを直せる文章だとしても、最初からミスひとつない文章を目指しましょう。
校正・校閲とは?違いは?【コツを学ぶ前に】
校正とは、元の文章と新しい文章を読み比べて、間違いを正すことを指します。
主に、誤植を見つけたり、体裁を整えたりするのが目的です。
一方、校閲とは、誤植や体裁を整える他にも、文中に出てくる単語や事実関係、表現の適切さについて調べ、直していく作業のことです。

実務上は、どちらも「文章の誤りを正すこと」程度の意味で使われているよ
同じような意味で使われているものの、校正と校閲には違いがあります。
校正は、文章を読んだり比べたりして間違いを探すので、文章だけあればできる作業です。
一方、校閲は、文章以外の情報源(ネットや本、識者の話)を用意する必要があります。
間違いのない文章を書くなら、誤植や体裁を整えた上で、単語や事実関係をチェックすることが必要です。
校正・校閲の違いにこだわらず、自分の書いた文章を客観的に見直すクセをつけましょう。
ですが、丁寧に文章を校正・校閲するのは非常に手間や時間がかかります。
今回の記事で紹介するコツを実践すれば、校正・校閲をより効率的に、正確に行えるようになります。

ぜひ最後まで読んでいってね
校正・校閲のコツ8選
それでは、校正・校閲の際に役立つコツを8つご紹介します。
8つのコツは、大きく2種類に分類することができます。
- 文章を確認する時のテクニック
- 間違いを見つけるために注意すべきポイント
それぞれに4つずつのコツがあります。
順番に見ていきましょう。
文章を確認する時のテクニック4選
自分の書いた文章を読み返し、確認していく時に使えるテクニックを4つ紹介します。
もちろん、校正・校閲の基本は文章を読み返すことです。
しかし、次に紹介する4つのテクニックを取り入れれば、効果が段違いに変わります。
- 時間を空けて読み返す
- 紙に印字して確認する
- 思い込みを捨てる
- 声に出して読む
1つずつ見ていきましょう。
時間を空けて読み返す
最低でも15分、可能なら1日置いた後に文章を読み返すようにしましょう。
書いた直後は疲労もあって確認に集中できないだけではなく、自分の文章に自信を持っているので間違いに気づきにくいです。
書き上げた直後に見直しをして、すぐに文章を公開したり、提出したりしたくなる気持ちも分かります。
その方が、仕事のプレッシャーからすぐに解放されますからね。
しかし、文章を書き上げた直後のチェックでは、まず十分に校正・校閲の意味が得られません。
最低でも、15分程度は休憩をはさんでから確認作業をしましょう。

私はどんなに急ぎの仕事でも、コーヒーを一杯入れて、飲み終わった後に校正・校閲をするよ!
さらに言えば、翌日以降に見直すのがもっとも良いでしょう。
間違いに気づきやすいだけではなく、より良い表現を思いつくこともあります。
紙に印字して確認する
プリントアウトして、紙ベースで校正・校閲作業をするようにしましょう。
鉛筆やボールペンを使い、1字ずつ線を引きながら確認すると、より細かい部分までチェックできます。
現代では、PCやタブレット端末で文章を書くことが多くなりました。
画面上で文章を確認することもできますが、オススメできません。
紙と違って簡単に読み飛ばせてしまうため、細かい部分にまで気が回らないためです。
とくに誤字脱字に気づきやすい確認方法です。
もし、誤字脱字が多いと自覚しているなら、一度取り入れてみましょう。

新聞社で採用されている校閲方法も、紙に印字する方法だよ!
じっくり見たらわかることでも、画面上で「なんとなく」読むだけでは気づけません。
思い込みを捨てる
「ここは確認しなくても大丈夫だ」と、資料を参照せずに書いた部分についての思い込みを捨てましょう。
自分が詳しいことや、専門の分野についての文章を書く時には、「自分は間違っていない」との思いが強くなります。
この思い込みは、校正・校閲作業で邪魔でしかありません。
思い込みがあると「この表現は正しいのか?」「間違った知識を伝えていないか」という視点で文章を振り返れなくなります。
もし、自分が「大丈夫」と思っていることが間違っていた場合、その間違いに気づけなくなります。
次の例を見てみましょう。
筋肉に詳しいつもりで書いた上の文章です。しかし、大事な部分を間違えています。
筋肉に詳しい人は、気づけましたかね?
声に出して読む
書き上げた文章を声に出して読むのも校正・校閲では重要です。
しゃべり言葉のように読むのも良いでしょう。
しかし、欲を言えば1文字1文字を声に出す方がオススメです。
「私は毎朝スクワットをする」という文をチェックするなら、次のように読みましょう。

私・は・毎・朝・す・く・わっ・と・を・す・る
このように音読すると、脱字や文字の重複に気づきやすくなります。
慣れてくれば、単語のつながりや言い回しの間違いにも気付けるようになります。

印字チェックと組み合わせると、さらに効率アップだよ!
設備が整っている人は、試してみよう!
さっと流し読むだけでは見落としてしまいそうな変換ミス、語順の間違い、文字の重複があります。
答えを見てみましょう。
間違いを見つけるために注意すべきポイント4選
続いて、文章の中で間違いやすいポイントを4つ紹介します。
このポイントに注意しながら校正・校閲をするようにすれば、間違いを見つける効率がグッと上がります。
- 数字・固有名詞
- 慣用句
- 表記の揺れ
- タイトル・見出し
順番に見ていきましょう。
数字・固有名詞
もっとも間違えやすいのは、数字や固有名詞です。
- 数字の桁
- カンマを打つ位置
- 変わった漢字
この辺りはとくに注意しましょう。
固有名詞のミスは、一個でもあると文章の信頼性を失う大きなミスです。
もっとも注意を払って校正・校閲するようにしましょう。
PCの変換機能で起きがちなミスが紛れ込んでいます。
注意深く見てみましょう。
慣用句
熟語の意味や言葉の言い回し、昔から使われてきている慣用句には注意が必要です。
使っている意味が違ったり、正しい言い回しでなかったりすることがよくあります。

自分では「正しい」と思っているから、意識しないと気づけない間違いだよ…
例を見ていきましょう。
よく間違って使われている慣用句や言い回しが紛れ込んでいます。

意外と違和感なく読めちゃうのが怖いよね
表記の揺れ
文章全体を通して、表記の揺れがないかを確認する必要もあります。
表記の揺れとは、1つの単語が文中で漢字になったりひらがなになったりすることです。
「おすすめ・オススメ・おススメ・お薦め」「話(はなし)・話し」といった表記の揺れは良く見ます。
表記の揺れがあると、文章全体の統一感がなくなってしまいます。

細かい所だけど、気にする人は結構いるよ
具体的には、以下のような点に現れることが多いです。
- 文中の漢字表記・送り仮名
- 「です・ます」「だ・である」の混在
- カタカナ・平仮名表記
実は、1つ前の項の例文にも表記の揺れが多数ありました。
もう一回見てみましょう。
表記が揺れている部分に色をつけて、見やすくしてみます。
この例文は、慣用句の誤りがあるだけではなく、表記の揺れもある例文だったわけですね。

違和感なく読めてしまった人は注意!
自分の書いた文章を、丁寧に校正・校閲してみよう!
タイトル・見出し
Webライターやブロガーとして記事を書いている人は、文章だけじゃなくタイトルや見出しにも気をつけましょう。
実はこの記事でも…。

という仕掛けをしたかったけど、私のプライドが許しませんでした。すみません
記事の中身をしっかりと確認していても、見出しやタイトルまで確認をしている人は意外と少ないです。
その分、うっかりミスがあった場合に見過ごされやすい箇所でもあります。

場合によってはSEOにも悪影響があるミスだから、しっかり校正・校閲したいところだね
校正・校閲向けオススメサービス
校正・校閲に便利なサービスを紹介します。
無料サービスもありますが、文ブロで実際に使用しているのは有料サービス「文賢」です。

Webライティングのバイブル「沈黙のWebライティング」でおなじみ、ウェブライダー社のサービスです。
最大の特徴は、誤字脱字のチェックだけではなく、より読みやすい文章を書くための推敲(すいこう)機能がついているところです。

新聞記者から見ても、めちゃくちゃ有能なツールだよ!
100%間違いを見つけてもらえるわけじゃないけど、確認にかかる時間が半分以下になったよ!
月額2,178円(税込み)で利用できるサブスク型のサービスです。
ただし、初月は初期費用として11,880円が追加でかかるので注意しましょう。
- 仕事で大量の文章を書く記者、Webライター、広報担当者など
- チームではなく、一人で執筆活動をしている人
- 自分の文章の質を高めていきたい人
毎週無料のオンライン説明会を開いており、参加すれば無料でお試し利用することもできます。

自分の記事の校正・校閲に不安がある人は、ぜひ試してみよう!
文賢について、より詳しい説明やメリットを紹介した記事もあります。
別タブで開きますので、興味のある方は後ほど読んでみてください!
「文賢は使えない」は本当?新聞記者が徹底評価!【動画・音声あり】
【まとめ】校正・校閲のコツを押さえて、完璧な文章を書こう!
校正・校閲のコツを押さえれば、間違いの少ない文章を書けるようになります。
しかし、人間が作った文章には間違いがあります。
どんな文豪でも、漢字や送り仮名を間違えるのです。

一般人の私たちの文章なんて、間違いだらけだよね…
それくらい思いながら校正・校閲の作業にあたらないと、間違いに気づくことができません。
「自分の文章は大丈夫だろう」と思わず、常に疑って校正・校閲するようにしましょう。
1文字も間違いのない、読者から信頼される文章を作れるように一緒頑張っていきましょう。