文章の校正・校閲に悩む人にとって気になるサービス「文賢」。
ネットでの評価や口コミを見ると、こんな言葉が多く見られます。

文賢は使えない…

文賢、利用料高すぎ…
- 初期費用11,880円(税込み)
- 月額2,178円(税込み、まとめ買い割あり)
他の有料校正・校閲サービスと比べると、やや高い値段設定です。
初期費用がかかることもあり、使ってから「やめておけば良かった…」となることだけは避けたいですね。
そこでこの記事では、現役新聞記者として様々な校正・校閲サービスを利用する私が、自腹を切って文賢を利用し、徹底的に評価をしていきたいと思います。

忖度(そんたく)なしの、徹底レビューだよ!
ネット上の口コミと合わせて、実際に使って分かったメリットやデメリットもまとめています。また、実際の使用画面もスクショ・録画しています。
ぜひ最後まで読んで、購入の検討材料にしてもらえれば幸いです。
それでは、いきましょう。
文賢とは【新聞記者が徹底評価】

文賢とは、SEOコンサルやWebサイト制作を手がけるウェブライダー社が提供する文章作成アドバイスツールです。
Webライターや記者、広報担当といった仕事では、不特定多数の人に読まれる文章を書くことになります。
多くの人に文章を読んでもらうためには、誤りのない正確な情報を、わかりやすく文章にする必要があります。
そのために必要となる作業が、校正・校閲です。
- 誤字脱字はないか
- 表記の揺れはないか
- 誤った表現方法はないか
- わかりにくい表現はないか
正確で、わかりやすい文章を書くためには、これだけの項目をチェックする必要があります。
当然、この作業を1人で行おうとすると、結構な手間です。

私は5,000字の記事の校正・校閲に、1時間近くかけることもあったよ…
そんな面倒な校正・校閲をサポートしてくれるのが、「文賢」です。
サービスの概要
「文賢」は文章の校正や校閲、推敲をサポートしてくれるサービスです。
簡単に、文賢のサービス概要をまとめてみました。
サービス名 | 文賢 |
価格 | 月額2,178円(税込み)/初月は11,880円の追加費用 |
主な機能 | ○校閲支援(誤字脱字、単語の誤用などをチェック) ○校閲サブ機能(文章の読み上げ、文字数や漢字率の測定) ○推敲支援(わかりやすい文章にするための改善点をチェック) ○文章表現のレコメンド機能(類義語や言い換え表現の提案) |
特徴 | ○Webにつながればどこでも使えるクラウドサービス ○スマホ/タブレットで利用可 ○文章データは保存されず、セキュリティ万全 |
契約方法 | 使用する人数分のライセンス契約 |

校閲だけではなく、文章を読みやすくするための推敲(すいこう)支援がついているのもポイントだね!
また、クラウドサービスであることも大きな特徴の一つです。
文賢は、Webブラウザ上で専用サイトにログインして利用します。
このため、一つアカウントを持っていれば、PCやタブレット、スマホで使えます。

複数端末を使っていたり、PCの容量を圧迫したくなかったりする人には良いサービスだね!
「沈黙のWebライティング」のウェブライダー社のサービス
文賢を提供しているウェブライダー社は、「沈黙のWebライティング」で有名な松尾茂起氏が社長を務める企業です。

「沈黙のWebライティング」は、Webライティングに携わる人のバイブルだよね!
松尾氏をはじめ、Webライティング業界の第一人者が集まった企業が、自分たちのライティング経験を活かして文賢を作ったというわけです。
このため、Webライティングでもっとも重要な「読みやすさ」や「わかりやすさ」に重点を置いた校正・校閲ソフトになっています。

Webコンテンツに携わる人向きのサービスだね!

「文賢は使えない」という口コミ・評価は本当か

文賢の利用を検討しようと、ネットで口コミや評価を調べると、決まって「文賢は使えない」という言葉を見るでしょう。

実績は申し分なさそうなサービスだけど、この評価は本当かな?
というわけで、レビューの前に口コミや評価を調べました。
- 悪い口コミ
- 良い口コミ
それぞれ、見ていきましょう。
悪い口コミ
まずは、悪い口コミを見てみましょう。
確かに、「使えない」という口コミがあります。
しかし、「使えない」根拠は明示されていませんね。
一方、誤字脱字のスルー率の高さを指摘する声もありました。
良い口コミ
月額2,000円超の料金に言及しつつ、その機能性の良さを評価する声が目立ちました。
良い口コミと、悪い口コミについて簡単にまとめておきます。
文賢の「ココがすごい!」5つのメリット【新聞記者が徹底評価】

実際に文賢を使って「ココがすごい!」と感じたメリットを5つ紹介します。

2022年1月から使っています!
感じたメリットは、次の5つです。
- 高性能の読み上げ機能
- クラウドツールで動作サクサク
- 文章の質を上げる推敲機能
- 表現の幅を広げる表現のレコメンド機能
- 高いカスタマイズ性
一つずつ、見ていきましょう。
高性能の読み上げ機能
ほとんど違和感なく文章を読み上げてくれる、高性能の読み上げ機能がついています。
校正・校閲の手法の一つが、音読です。
一字一字を確認しながら文章を読み上げると、誤字脱字に気づきやすくなります。
とくに音読で気づきやすいのは、次のようなミスですね。
- 脱字
- 違和感のある言い回し

新聞社でも、校閲に音読を活用するよ!
ただ、何千文字もあるような文章を自分で読み上げるのは非常に骨が折れます。
それを、代わりに読み上げてくれるだけでめちゃくちゃ便利です。
無料の音声サービスは漢字を読み間違えたり、発音に違和感がありすぎたりしてロクに使えないものが多いです。
しかし、文賢の音声読み上げ機能は、ほぼ違和感なく聞けます。

公式では「サブ機能」とされているけど、個人的にもっとも感動したポイントだよ!
クラウドツールで動作サクサク
文賢はクラウドツールであるため、複数の端末で使えます。
クラウドツールにありがちなカクつきや重たい動作もなく、サクサク利用です!
また、GoogleChromeブラウザを使っている人は、文賢を連携させる拡張機能もあります。
ブラウザからワンタッチで文賢に接続できるため、非常に便利です。

PC、タブレット、スマホに合わせた表示幅があるのはうれしいね!
文章を書き上げた後って、どうしても疲労感がありますよね。
校正・校閲をしないといけないのはわかっていても、PCの前じゃなく、リラックスした姿勢でやりたい人もいるはず。
そんな時、文賢ならスマホやタブレットで校正・校閲ができちゃいます。

私は、ソファーでぐったりしながらタブレットで文賢を使っているよ!
正しいクラウドツールの使い方ではない気もします。しかし、便利なのは間違いありません。
文章の質を上げる推敲機能
よりわかりやすい文章にするための、充実した推敲機能がついています。
推敲とは、文章の質をあげるために、表現や言い回しを考え、文章を修正していく作業のことです。
文賢では、校正・校閲をあわせて、「こうしたら読みやすいよ!」という推敲アドバイスも出してくれます。
推敲機能で指摘してくれるのは、次のような言葉や表現です。
- 主述関係がわかりにくい文
- ひらがなで書いた方が良い言葉
- 同じ助詞の連続使用
- 同じ文末表現(〜です、〜ます)の連続
- 「〜することができる」というような冗長な表現
どれも、Webライティングでは気をつけたい部分です。
しかし、自分で気づくのは難しいポイントでもあります。
文賢は、このような表現についてほぼ100%の水準で指摘してくれます。
こんな感じですね。

これをもとに、文章を直していくだけでも、簡単に読みやすい文章を書けます。

自分のライティングがいかにわかりにくいのか、痛感するかもよ!
表現の幅を広げる表現のレコメンド機能
文章の表現の幅を広げる、レコメンド機能もついています。
レコメンドとは、「オススメ」「推薦」という意味です。
文賢では、「うれしい」「かなしい」などの感情や行動を表す言葉について、関連した表現が出てくる機能です。
たとえば、「悩む」という言葉には、このようなレコメンドが出てきます。

このようなレコメンドは、すべてで3,500語以上登録されているとのことです。

個性豊かな表現も多いから、活用していく中で語彙力も身につけていけるよ!
感情を込めて書くことの多いWebライティングでは、「他に良い言い回しないかなぁ」と悩むこともありますよね。
そんな時に、文賢のレコメンド機能が大活躍します。
高いカスタマイズ性
文賢にはデフォルトで登録されている辞書の他に、自分でカスタマイズできる辞書機能があります。
自分なりの校正・校閲のルールを作りたい人や、レギュレーションの違う複数のサイトに記事を書いている人にとって便利な機能です。

私も、クライアントA用、クライアントB用、文ブロ用にカスタマイズして使っているよ!
とくにWebライターのように、レギュレーションの違う複数のクライアントに記事を書いている人にはオススメです。
最初に辞書に言葉遣いや言い回しのルールを登録する手間はかかります。
しかし、一度登録してしまえば、その後は文賢を使うだけでレギュレーションに従った校正・校閲ができるようになります。
文賢の「ココが微妙」3つのデメリット

文賢を使って、「これは微妙だなぁ」と感じる部分もありました。
とくに強く感じたのは、次の3つのポイントですね。
- 単純な誤字脱字には弱い
- アドバイス機能は使いづらい
- 初期費用が高い
一つずつ、見ていきましょう。
単純な誤字脱字には弱い
単純な誤字脱字の検出率は低そうです。

悪い口コミにもあったね!これは、文賢の明確な弱点だね
誤字脱字には、ツールによって得意不得意な種類があります。
文賢が得意とする誤字脱字は、次のようなものです。
- 同音異義語
- 間違いやすい商標
- 誤った敬語
- 重複表現
文章の書き手が思わず間違いがちな部分に特化した検出機能と言えます。
一方、間違えて一字多く削ってしまった脱字や、変換ミスによる誤字は苦手なようです。
もし、アナタにこのようなミスが多いなら、文賢の機能に物足りなさを感じるかもしれません。
ただし、そもそも100%の精度で文章の誤りを正せる校正・校閲ツールは、まだこの世にありません。
苦手な誤字脱字があるとはいえ、文賢の校閲機能はかなりの精度だと太鼓判を押せます。
また、文章の読み上げ機能を使い、自分の目と耳で仕上げの確認をすることで、単純な誤字脱字はかなり減ります。

文賢の機能をフル活用すれば、回避できるから安心してね!
アドバイス機能は使いづらい
文賢の機能の一つ、「アドバイス機能」はかなり使いづらさがあります。

ぶっちゃけ、いらないと思うよ
文賢のアドバイス機能は、言い換えると「チェックリスト」です。
わかりやすい文章かどうか確認する10項目、トラブルを防ぐために確認すべき10項目がまとめられています。
これについては、自動検出の機能があるわけではなく、適宜自分でチェックしていくことになります。

正直なところ、あまり具体的な指摘でもありません。
ある程度のライティング力がある人にとっては、不要な機能でしょう。

むしろ、他の機能をフル活用すれば、チェックリストの内容も自然とクリアできるよ!
初期費用が高い
文賢のもっともデメリットになりうるポイントが、初期費用の高さです。
文賢の月額料金2,178円は、機能の充実さを考えれば非常にコスパが良いと言えます。
ただし、初期費用としてかかる11,880円が購入のハードルを上げているのは間違いありません。
文賢の利用に必要なアカウント作成に伴い費用が発生するのは仕方ないかもしれません。
しかし、それにしても気軽な気持ちでの利用が難しい価格設定です。

でも、使い始めると初期費用のことを忘れるくらい作業効率がアップするよ!
文賢を使って浮いた作業時間で、十分にもとを取れます。
悩んでいる人は、思い切って買ってみてはいかがでしょうか。
文賢はこんな人にオススメ

実際に利用したことを踏まえて、文賢を使うべきユーザー像を考えてみました。
次のような人には、オススメです。
- 月3万文字以上書くWebライター
- 大量の記事をさばくディレクター
- ダブルチェックができない1人広報担当者
一つずつ、理由を説明します。
月3万文字以上書くWebライター
月に3万文字以上書くWebライターは、文賢の利用を検討してみましょう。
1記事あたり3,000文字とすれば、およそ月に10記事書く人ですね。
この基準を超える作業量なら、文賢の月額料金の元をとれる可能性が高まります。
3,000文字程度の記事を丁寧に校正・校閲しようとすると、1記事あたり30分程度かかるでしょう。
仮に月に10記事書くならば、6時間を校正・校閲にあてていることになります。

文献を使えば、校正・校閲の時間を半分程度に抑えられるよ!
3時間あれば、さらにもう3,000文字ほどの記事を書けるでしょう。
文字単価1円の依頼なら、これだけで元がとれるようになります。
人によって執筆速度や校正・校閲にかける時間は違います。
一つの目安として、月3万文字が元をとれるラインとなることを意識しておきましょう。
大量の記事をさばくディレクター
大量のWebライターから納品を受け、記事をさばくディレクターにもオススメです。
とくに、レギュレーションに応じてカスタマイズできる辞書機能が便利です。

文ブロも、カスタマイズした辞書を使って文体を統一しているよ!
文賢は複数のライセンスを購入することもできるので、校正・校閲をWebライター側にお願いすることも可能です。
ディレクター側からすれば、校正・校閲という手間のかかる作業工程を一つ減らせるわけです。
こう考えると、Webライター以上に文賢を利用するメリットが大きいかもしれません。
ダブルチェックができない1人広報担当者
他の人に文章の校正・校閲をお願いできない、1人担当者にも文賢はオススメです。
校正・校閲の基本は、文章を書いていない第三者に見てもらうことです。
しかし、企業やチームの規模によっては、校正・校閲にそこまでの労力を割けないこともあります。

そんな時に、文賢の出番ってわけだね!
文賢が校正・校閲のパートナーとして、アナタが書いた文章を見てくれます。
プレスリリースやイベントの案内文といった、間違いが許されない文章について、月額2,000円強で校正・校閲が強化できると思えば安い出費です。
ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
【動画・音声あり】文賢の実際の利用シーンを紹介
文賢を実際に利用しているシーンをご紹介します。

ぜひ参考にしてみてね!
校正画面
実際の校正画面の動画です。
20秒くらいでサクッと見られます。

ちなみに私の環境は、LenovoのChromebook Ideapad Duet+楽天モバイルのテザリングだよ!
決して恵まれた環境ではありません。
しかし、ブラウザ上でサクサク動いていることがわかると思います。
音声読み上げ
続いて、音声読み上げの画面です。
開始10秒くらいで読み上げが始まります。2倍速の音声です。
こちらも、20秒ほどでサクッと見られます。
漢字の読みについては、「文賢」を「ぶんけん」と読んだり「ぶんかしこ」と読んだり、ややムラがわかるでしょう。
しかし、抑揚や文章のつなぎの読み上げは、まるで人間が読んでいるような自然さがあります。

音声読み上げを聞きながら文章を見直せば、誤字脱字の発見率アップ!
公式動画
文賢は、YouTubeに使い方の公式動画もアップされています。
こちらは、約8分の動画です。お時間に余裕のある人は、ぜひ見てください。
「文賢は使えない」は間違い!正確な評価を見て検討しよう!

ネット上で、「文賢は使えない」という評価を見かけます。
しかし、それは正確ではありません。
校正・校閲ツールを、「100%誤字脱字を見つけるツール」だと思っているから、そういう評価になるのでしょう。
校正・校閲ツールは、あくまでもライティングのサポートツールの一種です。
間違いを100%なくすには、ツールを使いこなした上で、しっかりと自分の目でも確認をしなければいけません。
その前提に立てば、文賢は間違いなくトップクラスの校正・校閲ツールです。
文賢をうまく使いこなせれば、文章の間違いをゼロにできるだけでなく、読者にとって読みやすい文章を書けるようになります。
もしアナタが自分の文章力や間違いの多さに悩んでいるなら、ぜひ一度利用を検討してみましょう。

一緒に、間違い一つない完璧な文章を目指そう!
また、文ブロでは、新聞記者の経験から学んだ校正・校閲のコツについてまとめた記事も公開しています。
お時間のある方は、ぜひあわせてお読みください!
